水草水槽を立ち上げるコツ
水草水槽は、水草と濾過バクテリが水を浄化する力を利用して管理します。
水草水槽は難しそうに見えますが、コツを掴めば簡単です。
水草と濾過バクテリアが水をキレイに維持してくれます。
このページでは、水換えは1週間に1回だけで病気やコケを防ぐコツを説明しています。
水換えが必要な理由
水草水槽を病気やコケを防ぎながら維持するコツは、定期的な水換えです。水換えに勝る特別な方法はありません。
水槽の底に溜まった汚れを簡単に吸い上げて、水草水槽に最適な足し水を定期的に加えることがポイントです。
■目次
自然界のように上流からの水や雨がない水槽には、定期的な足し水が必要になります。
足し水がないと、水槽に硝酸塩が蓄積されます。水草が硝酸塩を全て吸収することはできません。
下のイラストは水槽内の生態系を説明する資料です。
水を入れ替える期間が、水槽の生態系を維持する歯車の一つになります。
新しい水を定期的に加えることで飼育水が酸性に傾くことも防止できます。
足し水の作り方
3分の1を交換することで水槽内の硝酸塩やリン酸を減少させ、コケや病気を防ぐことができます。
換水用のバケツを園芸店などで購入すると安くすみます。私は8ℓのバケツを使っています。
8ℓのバケツに給湯器から、お湯と浄水器を通した水道水を入れて26度前後に調整しています。
水温は初めの頃は水温計で測定していましたが、今は指の感覚で測定しています。
バケツに入れている水質調整剤は下記の通りです。pH(ペーハー)は6.8から7.0になります。
- バケツに水道水と給湯器からのお湯で約26℃:8ℓ
- テトラ社のアクアセイフ:4mℓ
- ADAの鉄分添加液:1プッシュ
- ADAのブライティK(カリウム添加液):1プッシュ
- ADAのソフトウォーター(pH/KH降下液):1プッシュ
水槽の底(ソイルや砂)も掃除する方法
水作(すいさく)株式会社が製造・販売している排水用の手動ポンプ、プロホースは底床(ソイルや砂)の掃除に最適です。
手動ポンプとサイフォンの原理(水が引力によって高い位置から低い位置に移動する)で吸引と排水を行います。
排水口は水槽よりも低い位置に置いてください。
私は、下の写真の用な使い方で飼育水を排水、交換しています。
プロホースの吸い上げパイプ全てが砂で一杯になるまで吸い上げます。
この状態になると水の排水がゆっくりとなりますが、パイプの中の砂も飼育水で洗えます。
バクテリアへのダメージを抑えて飼育水も排水できるプロホースを10年間、愛用しています。
プロホースは、交換用の部品も熱帯魚専門店によっては店舗で販売しています。ネット通販でも簡単に購入できます。
プロホースのサイズにS/M/Lがありますので、サイズだけ間違わないようにしてください。
Lサイズを購入すれば、60cm規格水槽と30cmキューブ水槽、両方に使用できます。
濾過バクテリアの重要性
濾過バクテリアは、熱帯魚を飼育する為には必須です。
また、水槽やフィルター内に濾過バクテリアが定着し始めるのは諸説があります。早くて3週間と言われています。
濾過バクテリアを定着させるためには、水草を沢山植えて二酸化炭素を強制添加して1ヵ月は熱帯魚の導入を待ちましょう。
熱帯魚専門店では、レイアウト水槽の製作依頼を受注した場合、一か月は熱帯魚を入れません。
一か月間は、水草と濾過バクテリアの定着を行い、最後に熱帯魚を入れて納品します。
上の写真は水草だけ植え、1ヵ月間は生体を入れず、濾過バクテリアを定着させた水槽です。
デジタルタイマーを使い、電磁弁とLEDライトを1日7時間作動させました。
濾過バクテリアが定着した後、1週間に5匹から10匹 ほど生体を追加してました。その後は、順調に生体を増やせました。
外部フィルターはエーハイムのEF500(2213)にリング濾材(パワーハウスソフト)を使っています。
水槽立ち上げ直後に、熱帯魚やエビなどの生体を飼い始めた方はコチラを参照して下さい。対策方法が記載してあります。
水換え時の注意点
換水の時は、足し水のpH(ペーハー)を調整してください。水槽のpHが弱酸性pH6.5から7であれば大丈夫です。
下の写真は左側から、テトラ社のpH(ペーハー)、GH(総硬度)、KH(炭酸総硬度)検査薬です。
pH(ペーハー)の検査薬は必需品です。
足し水のpH(ペーハー)が大きく違うと、換水後に熱帯魚やエビがダメージを受けて落ちます(死亡)。
換水後にエビが水槽内を暴れるように泳ぎ回る場合、ダメージを受けています。
その場合は、換水を止めて水槽のpH(ペーハー)を検査してください。
pH(ペーハー)の激変は避けるように注意してください。
Q1:水槽の立ち上げ直後に熱帯魚を導入した場合は?
濾過バクテリアが定着していない環境で熱帯魚を飼育する場合、水質検査薬でアンモニア濃度と亜硝酸塩濃度を測定してください。
水槽の立ち上げと同時に熱帯魚飼育を開始した場合、濾過バクテリアが非常に少ない飼育環境になっています。
熱帯魚の致死率が非常に高い飼育環境です。
餌の残りや熱帯魚の糞から発生するアンモニアを分解する濾過バクテリアがいないため、下水で熱帯魚を飼育している状態に近くなっています。
飼育水も臭いと思います。詳しい対策方法は専用ページを作りましたので、コチラをクリックしてください。
アンモニア濃度と亜硝酸塩濃度を測定しましょう
対策は、pHと水温を調整した足し水を用意して、毎日、水槽の水を換水することです。
物理的にアンモニアや亜硝酸塩が多い、有毒な飼育水を減らして、新しい水を足してください。
アンモニアと亜硝酸塩の濃度が適正値になるまで、有毒物質の除去を繰り返してください。
アンモニアと亜硝酸塩の濃度はテトラ社の検査薬で確認してください。
水槽の濾過バクテリアが十分に定着するとアンモニアが検出されなくなります。
アンモニア濃度の後に、亜硝酸塩濃度が徐々に低下していきます。数週間でゼロになると思います。
下の写真はアンモニア濃度の試薬です。検出された場合はすぐに換水してください。
アンモニアが検出されている間は、ヤマトヌマエビやオトシンクルスを投入したり、新しい熱帯魚を追加しないでください。
飼育している熱帯魚を死なせないようにする事が一番難しい段階です。
熱帯魚が全滅した場合は、水草を植えて水草の成長を待ちながら、濾過バクテリアが定着するまで辛抱してください。
この経験は熱帯魚飼育の関門です。正しい知識と対応を行えば、時間が解決してくれます。
濾過バクテリアが定着してくれます。私もそうでした。