熱帯魚がすぐに死ぬ原因と対策
熱帯魚を入れる前に必要なコト
熱帯魚を水槽に入れる前にチェックするポイントは三つあります。
ポイント1
一つ目のポイントはアンモニアと亜硝酸塩の濃度を測定することです。
アンモニアと亜硝酸塩の濃度を試験薬か試験紙で測定してください。
まず最初はアンモニアと亜硝酸塩の濃度です。
アンモニアが少しでも検出された場合は、濾過バクテリアが定着していない状態を意味します。
熱帯魚を水槽に入れるのは、1ヵ月待ち、水草の育成に取り組んでください。
亜硝酸塩も濃度が高い場合は、濾過バクテリアが不足しています。
ポイント2
二つ目はpH(ペーハー)の測定です。
水槽のpH(ペーハー)が熱帯魚に合っているかチェック(測定)します。
ポイント3
三つ目が水合わせの方法が適切か確認してください。
水合わせとは、熱帯魚が入ったビニール袋の水質を、水槽の水質に徐々に変えることです。
三つのポイントに注意して、熱帯魚やエビを水槽に入れてください。
どれか一つでも欠けている場合は、買ってきた熱帯魚やエビがすぐに死ぬ場合があります。
このページで、それぞれのポイントについて詳しく説明しています。
簡単な方法です。初心者の方でも出来る方法です。
■目次
濾過バクテリアが不足している場合
濾過バクテリアが十分に定着していない場合、エサの残りや糞から発生する有毒なアンモニアが分解されず水槽内に残っています。
下水で熱帯魚を飼っている状態ですので、熱帯魚はすぐに死にます。
濾過バクテリアが定着しているか、確認する必要があります。
濾過バクテリアが定着しているか確認する方法
濾過バクテリアが分解する有毒な物質はアンモニアと亜硝酸塩です。
アンモニア濃度と亜硝酸塩の濃度を測定してください。
検出される場合は、まだ濾過バクテリアが定着していないと分かります。
アンモニア濃度を測定する方法
熱帯魚を水槽に入れた後、次々と落ちる(死亡)場合、原因は三つ考えられます。
一つ目はアンモニア中毒です。
原因を特定する方法はアンモニア濃度を水質検査薬で測定することです。
下の写真にあるテトラ社の検査薬でアンモニアが検出された場合、濾過バクテリアが定着していないと判断できます。
アンモニア濃度は写真の右側にある比較紙の色では、一番上の色と殆ど同じ色が出る場合が正常な状態です。
アンモニアは濾過バクテリアによる生物濾過で分解されて亜硝酸塩になります。本来は検出されてはいけない有毒な物質です。
アンモニアが検出された場合は、熱帯魚が落ちる(死亡)原因がアンモニア中毒と特定できます。
濾過バクテリアが定着するまで、生物を水槽に入れるのは待った方が良いです。
アンモニアを減らす方法
飼育水を入れ換えると同時に、ゼオライトを使ってアンモニアを吸着してください。
ゼオライトとは鉱物の一種です。沸石とも呼ばれています。多孔質の穴がアンモニアを吸着します。
アクアリウム用のゼオライトがパックになって販売されています。安いのでドンドン入れ替えてください。
水の入れ換えと、ゼオライトによる2段階のアンモニア除去です。
ゼオライトは1ヵ月に2回くらい入れ替えてください。濾過バクテリアが定着すれば不要になります。
外掛け式フィルターは、ゼオライトのパックを簡単に取り換え出来ます。
多孔質が詰まると吸着が止まります。そうすると、急激にアンモニア濃度が高まります。
取り扱い説明書を読んで、期限よりも早めに交換してください。ケチると、アンモニア中毒で全滅の可能性もあります。
濾過バクテリアが定着するまで、補助的な役割を果たします。
外掛け式フィルターは、ゼオライトを簡単に取り換え出来ます。
濾過バクテリアが定着するまで待ちましょう。
亜硝酸塩濃度を測定する方法
二つ目は亜硝酸塩濃度の測定です。この物質も濾過バクテリアが硝酸塩に分解します。
このため、下の写真で右側の比較紙の一番上と同じ色が出る場合が正常です。
亜硝酸塩濃度の試薬が色が明確に分かれるので、水質検査薬の中では一番分かりやすいです。
黄色が出るまで換水を毎日少しづつ繰り返してください。
塩素が残っている場合
三つ目は、塩素の残留です。水道水には塩素(カルキ)が含まれています。人体の大きさと比較すると無害な量です。
しかし、小型熱帯魚の大きさと比較すると有害になります。塩素除去剤剤が各メーカーから販売されています。
適量を足し水に混ぜているか確認して下さい。
塩素の残留量を計測する試験薬もありますが、テトラ社の試験紙(6in1)で残留の有無だけ確認すれば大丈夫だと思います。
水合わせの簡単で確実な方法
購入した熱帯魚が直に落ちる(死亡)場合、水合わせが上手く行っていない可能性があります。
水槽の飼育水と熱帯魚店の水槽は違う水質、環境です。
熱帯魚の体温や体内の様々なバランスを新しい水質に少しづつ変化させる作業を「水合わせ」と言います。
この作業は慣れが必要です。しかし、サテライトを使えば簡単に水合わせができます。
サテライトとエアーポンプ、コックを使えば点滴方と呼ばれる水合わせが簡単にできます。
サテライトを使った水合わせには、エアーポンプとエアー分岐のコック、エアー調整用の弁とホースが必要です。
どれも数百円で買えます。下の写真が必要な機器一式になります。
エアーポンプで飼育水を押し上げてサテライトに落として行きます。
飼育水を落とす量とエアーストーンから酸素を供給する量は、写真の上側に写っている2分岐のコックで微調整できます。
エアーの量は微量で大丈夫です。1秒1滴強、飼育水を落とします。
この状態になれば、後は何時間でも放置しておけます。酸欠の心配もありません。
飼育水の押し上げ(リフトアップ)もエアーで行っていますので、酸欠にはならないと思います。
念のため2分岐してエアーも供給しています。
1秒1~2滴をサテライトの中に落とす時間は30分、その後、1秒3~4滴落とす時間が30分、その後はコックを全開にしてください。
合計で2時間くらい掛ければ大丈夫です。
最後に、サテライトの容器ごと水槽に入れてください。ゆっくりと容器を横向きにしてください。
そうすれば、熱帯魚やエビは徐々に自分達から水槽に出ていきます。
pH(ペーハー)の重要性
購入した熱帯魚がすぐに落ちる(死ぬ)場合、まずは、水槽のpH(ペーハー)を測定してください。
測定した結果、pH6以下の強酸性かpH8以上のアルカリ性になった場合は対策が必要です。
ほとんどの熱帯魚は弱酸性pH6.5から中性pH7.0の水質を好みます。
pH7.0の中性の足し水を作って、水槽の3分の1を換水してください。徐々にpH7.0前後の中性に調整する必要があります。
一気に全部の水を換えると全滅する可能性もありますので、3日に一回くらいのペースで水を換えてください。
水槽のpH(ペーハー)を調整する方法
水槽のpH(ペーハー)を測定するテトラ社の試験薬をオススメします。店頭でも通販でも購入できます。
テトラ社の試験紙も販売していますが、誤差が大きく大雑把な値しか分かりません。
試験紙では問題なくても、試験薬ではアルカリ性と分かった経験があります。
もう少し精密に測定したい方は、デジタルペーハーメーターが通販で安く購入できます。
私は通販で購入しました。問題なく使えています。
pH(ペーハー)の調整方法は足し水で徐々に調整する方法と、二酸化炭素の強制添加を行う方法の二つです。
pH(ペーハー)を調整した足し水を作る方法
飼育水を3分の1抜いて、足し水を入れる時にpH/KH調整剤を入れて熱帯魚の好む水質に調整してください。
一度だけ、調整した足し水のpHを測定して、入れた水質調整剤の量を確認してメモしてください。
次からは、メモを見るだけで簡単に作れます。慣れれば、メモも不要になります。
水槽のpH(ペーハー)と足し水のpH(ペーハー)が大きく違うと、最悪の場合は落ちます(死亡)。
換水後にエビが水槽内を暴れるように泳ぎ回る場合、ダメージを受けています。
その場合は、換水を止めてください。水槽のpH(ペーハー)を検査してください。
pH(ペーハー)の激変は避けるように注意してください。
私は8ℓのバケツを使っています。8ℓのバケツに給湯器から、お湯と浄水器を通した水道水を入れて26度前後に調整しています。
水温は初めの頃は水温計で測定していましたが、今は指の感覚で測定しています。バケツに入れている水質調整剤は下記の通りです。
- バケツに水道水と給湯器からのお湯で約26℃:8ℓ
- テトラ社のアクアセイフ:4mℓ
- ADAの鉄分添加液:1プッシュ
- ADAのブライティK(カリウム添加液):1プッシュ
- ADAのソフトウォーター(pH/KH降下液):1プッシュ
飼育水のpH(ペーハー)が熱帯魚に与える影響
飼育する熱帯魚が弱酸性を好む南米原産の熱帯魚で飼育水がアルカリ性の場合は、エサを食べないなどの影響がでます。
水質が違い過ぎて短命に終わる可能性が高くなります。
塩素(カルキ)除去剤はpH(ペーハー)を少しアルカリ性にする成分が含まれています。
足し水のpH(ペーハー)が熱帯魚に合っているか、時々で良いので測定することをオススメします。
水道水のpH(ペーハー)はお住いの地域ごとにバラツキがあります。
私が住んでいる東京都武蔵野市は、水道水の80%が深井戸から取水した井戸水です。
このため、岩盤から染み出したミネラル分が多く含まれたアルカリ性の硬水です。
オレンジ枠がpH(ペーハー)値です。pH8近くのアルカリ性です。pH(ペーハー)調整剤でpH7まで落とす必要があります。
水道局のホームページに記載されています。
飼育水のpH(ペーハー)を1ヵ月に1回でも良いので測定しましょう!