CO2(二酸化炭素)の強制添加は重要
ソイルや砂の中で水草が成長して根が張る条件は光合成の促進です。
光合成に必要なものはCO2(二酸化炭素)です。
水草の成長を早めるためには、CO2(二酸化炭素)の強制添加が必要です。
熱帯魚やエビを飼い始める前に、約1ヵ月間は水草だけを育てることが立ち上げ成功の秘訣です。
理由は、水草が育つまでの約1ヵ月で、濾過バクテリアが水槽の砂(ソイル)やフィルター内に定着するからです。
熱帯魚やエビが生きていける環境を立ち上げるのは、水草と濾過バクテリアです。
水草は根から養分を吸収します。コケは水中の養分を吸収します。
根が張っていないと、コケだらけの水草水槽になります。
水草の根が過剰な養分を吸収します。
また、水草が茎や葉を伸ばし、ガラス面に直接当たるLED照明の光を遮ることでコケが出にくい状態にします。
コケの成長は早いです。水草がコケの成長に負けないよう注意してください。
飼育水へ溶けているCO2(二酸化炭素)が足りない場合もあります。インジケーターも通販で安く買えます。
水草にこだわると、熱帯魚の数を増やす欲求が薄れて、水槽にも財布にもメリットがあります。
水草を増やした方が、水槽の環境が健康になります。
アクアリウム初心者の方でも水草水槽を簡単に作れる方法をご紹介しています。
■目次
CO2(二酸化炭素)の効果
水草の光合成に必要なCO2(二酸化炭素)は強制添加をしないと、飼育水には殆ど溶け込む量が供給されません。
水中葉の育成を促進して、コケに負けないよう支援するのがCO2(二酸化炭素)の強制添加です。
CO2(二酸化炭素)の強制添加とは、金属製のボンベに圧縮されて入っているCO2(二酸化炭素)を細かな泡にして飼育水に溶け込ませることです。
熱帯魚機器メーカーの添加セットを使います。
水草の大半は湿地帯が原産の水陸両用の植物です。
水陸両用である水草の特性を活かして、水草ファームでは太陽光を直接浴びて早く育成する水上栽培をしています。
栽培中に水槽が不要ですし、輸送中に水がないので重量も軽くなりコストが削減できます。
水上葉を水中に入れた後は、水上葉は徐々に枯れていきます。その代わり、水中葉が芽を出してきます。
買ってきた水草を水槽の中で再生するには、CO2(二酸化炭素)の強制添加が必要です。
CO2(二酸化炭素)の強制添加セット
下の写真がCO2(二酸化炭素)の強制添加セットです。
<セットの内容>
・レギュレータ:取り換え式のCO2ベンベを回しながら装着します
・カウンタ:カウンタに水を入れます。カウンタ内を上下する気泡の数で添加スピードを目測
・CO2ボンベ:取り換え式。1本400円弱くらいで約1ヵ月もちます
・耐圧チューブ:エアーボンベ用のチューブは使えません
*・電磁弁は別売りの場合あり
電磁弁以外はセットの中に入っています。
昔に比べて随分と安くなりました。私はスドー株式会社の「RG-S タイプB」セットを使っています。
店頭や通販サイトを見ても、スドー株式会社の「RG-S タイプB」はトップシェアだと思います。
電磁弁と電子タイマーは別途、購入しました。
電磁弁と電子タイマーも入ったオールインワンのセットは、チャームの通販サイトで販売されています。
CO2(二酸化炭素)の強制添加は本当に行った方が良いです。コケの発生を抑えて、水草の光合成が活発になります。
バルブを使った添加量の調整
CO2(二酸化炭素)の強制添加にはバルブと耐圧ホース、バブルカウンタ、スピードコントローラー、CO2ストーンが必要になります。
その中で取り扱いに注意が必要なのが、バルブとスピードコントローラーです。
下の写真がバルブです。このバルブでCO2(二酸化炭素)の供給量を調整します。
金属製ボトルの上がバルブになります。バルブの開き具合を、左側の黒いネジを回して微調整して1秒1滴前後にします。
この黒いネジを「数ミリ」回すだけで大量のCO2(二酸化炭素)が供給されます。
大量供給されると熱帯魚やエビは、数分で炭酸ガス中毒になり全滅します。子供の悪戯などには注意が必要です。
添加量の調整方法
もう一つ注意が必要なのが、スピードコントローラの調整方法です。
下の写真がスピードコントローラーです。
銀色のネジを回して、CO2ストーンから出る二酸化炭素の量を調整します。
ネジの下に平らなネジ止めが見えると思います。ネジとネジ止めの間に間隔が空いてしまうことがあります。
何度も回していると、徐々に間隔が出来てしまいます。
間隔があると、ネジを根元まで回して閉じたつもりでも、CO2(二酸化炭素)が出続けます。
CO2ストーンの管理方法>
下の写真がCO2ストーンです。水槽内で二酸化炭素を細かな泡にして出します。
使っているうちにコケが表面を詰まらせます。
泡の出方が悪くなったら、取り外してプラスチックのコップにキッチンハイターと水を入れて1日置いてください。
その後、コップを水で洗い流してください。
次に、水と塩素中和剤を入れたプラスチックコップに、CO2ストーンを一日漬け置きして漂白剤の残りを中和してください。
CO2ストーンを耐圧ホースから取り外す時は、根元のプラスチックの所を掴んで引っ張ってください。
ホースが硬化して取れない時があります。
ストーン本体を掴んで引っ張るとプラスチックの根元とストーン本体が引き剥がれてしまうことがあります。
気を付けてください。私も1個壊しました。小さいけど、¥2,000前後します。
CO2の泡を吹き飛ばすコツ
ストーンから出た泡は水面に向かってゆっくりと上昇します。
排水パイプの水流で泡を吹き飛ばすよう、パイプを加工すると便利です。飼育水に溶け込む量が増えます。
加工の方法はコチラをご参照ください。
CO2(二酸化炭素)の泡が遠くまで漂っている様子も優雅で癒されます。
CO2は水質を改善
CO2(二酸化炭素)の強制添加を1秒1滴~数滴、添加すると飼育水の水素イオン濃度が上昇してpH(ペーハー)が低下します。
pH(ペーハー)が低下して弱酸性(6.4前後)になると水草がCO2(二酸化炭素)の炭酸を吸収して光合成を活発に行うようになります。
このため、CO2(二酸化炭素)を適量、点灯時に添加することで水草の成長を促進することが可能になります。
水草の成長を促進してコケ退治
コケも光合成を行いますが、pH(ペーハー)が弱酸性であれば水草の光合成が優位になります。
理由は、コケが光合成に使う重炭酸イオンが弱酸性の水質では減少するからです。
pH(ペーハー)が弱酸性であれば炭酸の量が増加して重炭酸イオンの量が減ります。
この結果、水草の光合成と成長が加速して、コケに対して優位になります。
コケの抑制にもCO2(二酸化炭素)の強制添加は効果がある理由です。