Q:水流の調整方法について
A:上の写真は、60cm規格水槽のシャワーパイプ(出水側)で水流が起こっている様子です。
水流は、ベタやアフィニセミオンなど止水域を好む一部の熱帯魚を除き必要です。理由は3個あります。
①水流が起こす波紋で酸欠防止
1個目は酸欠不足の防止です。水流により水面に波紋が起きます。この波紋が酸素を水中に巻き込み、酸欠を防止します。
エアレーション(ブクブク)も同じ原理です。ブクブクの泡が波紋を作り酸素を取り込んでいます。
泡が水中で溶けている訳ではありません。酸欠は夜間に起きやすいと言われています。
このため、夜間だけタイマーでエアレーション(ブクブク)をする人もいます。
水流の強さですが、出水口から反対側の一番遠くに植えた水草が少し揺れるか揺れないかくらいが適切です。
波紋が出来ていれば大丈夫です。強すぎると熱帯魚が疲れて致死率が高くなるので、シャワーパイプの穴に
プラスのドライバーを突っ込んでグリグリしてください。誰でも簡単に穴を大きくすることができます。
同じ要領で穴を増やし、水流を更に弱める事もできます。
二酸化炭素の泡を吹き飛ばし、水に溶ける比率を高める事もできます。一石二鳥です。
②水流で水を循環
2個目は病気の防止です。下の写真には餌を食べるカージナル・テトラと、コリドラス・パンダ、
レッドファントムテトラ・ルブラなどが写っています。
餌を食べる場所は水槽内で徐々に決まります。餌を食べる場所の近くには、食べ残しやフンが溜まります。
溜まった老廃物は水替えの時にプロホースなどで底床の砂と一緒に吸い出します。
しかし、毎日、水替えをするのは人間が疲れます。また、熱帯魚にも負担になります。
この老廃物を、フィルターの吸水口まで運ぶのが水流です。
水流がない止水域には、老廃物が溜まり、コケや病原菌が発生する可能性が高くなります。
水槽内の浄化と病気の防止には、ある程度の水流が必要です。
③水流でエサを適度に分散
最後は餌を適度にばら撒くことです。水流がない場合、餌が一箇所に集まります。混泳水槽では必ず、
餌取りの早い熱帯魚と遅く気が弱い熱帯魚に分かれます。餌の時間には、熱帯魚が興奮して取り合いが発生します。
その時、水流である程度ばら撒いた方が、餌取りの下手な気弱な種類も餓死せずに済む可能性が高くなります。
熱帯魚の力関係や餌の取り合いを良く観察して、餌をスポイドであげる、浮く餌、沈む餌などを使い分けて
みてください。餌の与え方はコチラをご参照ください。
弱い水流を作る方法
ベタやアフィオセミオン、ノソブランキウスなどは、止水か非常に弱い水流を好みます。
外部フィルターから排水される水流を分散することで、水流を弱めるパイプがあります。
水流の調整に最適です。
ADA(株式会社アクアデザインアマノ)のメタルジェットパイプは非常に優れた製品です。
以前、30cmキューブ水槽にエーハイムEF500(2213)を繋いで使っていました。
パイプ近くの水草が揺れないので、フィルターが止まってないか何度もパイプを引き上げて
確認していました。水流を分散する性能は凄いと思います。
今は出番を待っています。下の写真です。難点は高価なこと、コケが付いてもブラシで洗えず、
ハイターで漂白するしか方法がないことです。しかし、この製品は外観・性能が最高だと思います。
もうひとつは、手頃な価格で売っているエーハイムのナチュラルフローパイプです。
ガラス製のパイプに比べて安くて、割れないのがお勧めできる理由です。メタルジェットパイプに比べると、
水流を弱める能力は落ちます。
排水(出水)パイプは水槽の上部に設置することが多く、照明に近い位置にあります。
このため、コケは付きやすいです。定期的な掃除が簡単な機器を選んでください。